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グラフィックで日本を感じるポルシェに仕上げる

雑誌『MOTOR HEAD(モーターヘッド)』創刊に合わせ、デモカーを制作するプロジェクトは創刊が決まり発売まで残り2カ月を切った状況でスタートしました。編集長高田氏の持つ雑誌の方向性やビジョン、趣味やこだわりなどから創刊号にて企画されるレーシング・ポルシェの特集内容、意向をヒアリング。『ジャパン』『和』『デジタルとアナログ』『都会に馴染むレーシング』…など様々なキーワードを拾い、イメージを具体化するヒントからデザインしていきます。

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当時としては斬新な『マット(艶消し)』を軸に、レーシングカーっぽさを排したデザインへ

デザインを進める中で重視したのはデザイナーのポリシーでもある『素材を生かす』と言うコンセプト。曲面で構成されるポルシェのグラフィックは流れるようなラインを使うことが多いのですが、スピード感は残しながらもデザインの中には曲線を使わず、エッヂの効いたブラッシュドをアクセントにそれを生かすためのマットホワイトのボディとするなど新しい試みが反映されました。
日の丸もロゴの強調とゼッケンと行った要素とミックスすることで全体のバランスを整えています。
ちなみにゼッケン『22』に特別な意味合いはなく、編集長高田氏の好きな数字を配しました。

納期、施工性を考慮したデザイン、そしてインパクトの両立

凝ったデザインほどフィルムを貼る作業は複雑で時間を要するようになります。また左右の位置調整などを含めた手間なども作業時間と施工性に大きく影響してきます。
限られた納期の中で効率的に施工するために、フィルムを貼る過程で手間や時間がかかる場所をどのように簡略化し、手間を省くかなども考慮してデザインを行っていきます。
ボディ下部に入る赤いラインがいい例で、パーツの分割部分に帯を入れることで上側のマットホワイトの際処理が格段に楽になるなどのデザインと施工性を両立したデザインにまとめていきます。さらに細かく手間のかかる部分はできるだけ作業をスムーズに行えるようにパーツを取り外して施工を行い、デザイン画ではわからなかったサイズ感なども施工の進行と並行して調整し、フィルムを用意していくなどデザイン画を100%再現するのではなく仕上がりのバランスを最優先に仕上げていきます。

マットホワイト:KPMF
当時はまだ1080シリーズなどのカーラッピングフィルムが日本に入る前だったため選択肢は非常に少なくマットホワイトとなるとKPMFくらいしかなかった状況でした。今と違いエアフリーではないため施工性や作業性も大きく違います。

ブラッシュド:3Mダイノック ME-1434
こちらも選択肢が無かったためダイノックを使用しています。ボンネットは1枚では幅が足りないためフィルムを接いでいますがわかりにくくするためにダミーのエアスリットをデザインアクセントとして入れる工夫をしています。

その他
サイドのデジタルグラフは複数メーカーのフィルムを使い、グラデーションにしています。中にはメッキやドットマトリックスフィルムも使用しています。

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パーツ脱着、施工、撮影。すべては発売10日前に終了

デザイン、フィルムの用意、施工、撮影…。通常の過程では考えられない急ピッチの作業は雑誌発売日の約10日前にスタジオ撮影を行うというギリギリのスケジュールで進行しました。8月のお盆休みを返上して4人が3日間かけて施工を行い、完成と同時にスタジオへ。
そんな状況でしたがスタジオに入ったとたん、カメラマン含むすべての関係者が満足のいく仕上がりに笑みをこぼしました。モーターヘッド創刊号に見開きにて紹介されたこのポルシェは高い評価と反響を呼びました。

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全国イベントで存在感をアピール

雑誌の創刊以降、全国で開催されたミーティングやイベントに出撃。マットホワイトに斬新なドット、そして日の丸を思わせるインパクトあるポルシェはどこでも目立ち度MAX!

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